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あり

イッシーはアイスクリームを食べた。
近頃、歯がぼろぼろだというのに、こりづに食べ続けている。

歯にアイスクリームがしみて、頭痛がする。
同時に憂鬱になって、口をポカンと開けたまま、しばし呆然と
宙をみつめる。

このやる気のなさ、だるさ、これは何なんだ?

口のアイスクリームをめがけてイッシーの足から除々にありが
登ってくる。
気が付いた時は、イッシーの口のなかは『あり』だらけ。

耳がもぞもぞするとおもったら、耳の穴がありに占拠されている。

鼻もそうだ。
鼻をかんで、ありを追い出そうと思って、鼻をかんだんだが、
ありは、イッシーの鼻の穴にくらいついていて、出てきてくれない。

口の中も同じ。
うがいをしても、でてこない。口のあらゆるところに、くらいつい
ている。

その痛みで、イッシーは気絶しそうだ。
気絶どころか、ありで窒息死だ。

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改造銃をもらって

イッシーは改造銃をもらった。
銃の撃ち方は、そのくれた友人に教わった。

初めて撃ったときは、全身にしみわたる音と振動にしびれた。
しびれすぎて、自分が電気クラゲになったような気持ちになった。

そういえば、「でんきくらげ」という増村保造監督のエロティックな
映画が昔、やっていた。
それを見たときは、同じしびれるでも、ちんちんがやたらしびれた。
そんなことを思い出した。

その銃を自分の口でくわえると、これからまるで自分が自殺する
かのような気持ちになる。
もうイッシーは生きすぎた。まもなく50歳だ。

「人間失格」の太宰治より、長生きしてしまったではないか。
『銃1発で・・・あの世に旅たとう』
などと考えて、口のなかに苦い銃口をいつまでも咥えている。

なんて、センチな気持ちもいつまでも続かない。
急に尻の穴がかゆくなった。その銃口でゴリゴリ尻をこすったりして
いる。
そこで、銃が暴発して自分の尻が吹き飛んだら、目もあてられない。

そんなことを思いつつ、上野公園で怪しげなイラン人からもらった
薬を飲んで、いい気持ちになって無意味な今日にサヨナラして寝る。

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