もぞもぞ・くねくね・ぐるぐる
今日はひさびさの休日。
カーペットでごろごろしながら、推理小説を読んでいた。
何気に、カーペットを眺めると、髪の毛があちこちに落ちている。
頭についている髪の毛は気にならないのに、どうして体から離れた
毛は、こんなに気持ち悪さを感じるのか?
私にとって、どんな美女の髪の毛も、抜け毛となった瞬間にその
価値がなくなってしまう。
そういえば、先週、床屋に行った。
髪を切ってもらい、その床に散らばった髪の毛に注意が引き寄せ
られた。
それがもぞもぞ動いたように見えた。
思わず、叫び声をあげそうになった。全身、鳥肌が立ったものだ。
なんて事を思い出すのも、小説にそろそろあきてしまった証拠か?
私は、推理小説を読むのを中断した。
部屋の机に座り、パソコンの電源をいれた。ニュースサイトでも
のぞいてみることにした。
ふと、机に目をやると、長い髪の毛が一本見えた。
長さから考えると、私の髪の毛ではない。
娘の髪の毛か?それとも妻の髪の毛か?
その髪の毛が、机の上をひゅるひゅると滑るように動いて、下に
落ちた。まるでミミズのようなくねくねした動きだった。
その髪の毛を追って下を見たのだが、見当たらない。
髪の毛が生きているわけもないので、たまたま部屋のすきま風に
でも吹かれたのか?それとも知らないうちに、私の鼻息が荒く
なっていたか・・・。
しかし、あの動きは風に飛ばされたようには見えなかった。
と、するといったい何が起こったのか?
インターネットで、「髪の毛 動く」で検索したら、いくつもヒット
した。私が知らないだけで、ネットでは相当に有名な現象になって
いる。
その動く髪の毛の事は『糸ヘビ』と呼ばれていた。
もし、その「糸へび」が、私の頭に住み着いてしまったらどうしよう?
その数が少しづつ増えて、やがていっせいに動き出したら、まるで
かつらがずれ動くように、私はつるっぱげになっているのでは。
なんてゆう想像をしたら、逆にユーモラスに感じて、一人で笑って
しまった。
ところで、動く髪の毛が「糸へび」と呼ばれていることががわかっ
ただけでは、今のところどうしようもない。
ここは、あわてずにのんびりといこう。
私は、「糸ヘビ」の事はどうでもよくなり、ニュースサイトに興味が
移った。次々にニュースを読み始めた。
特に、「糸ヘビ」のことを思い出すことはなかった。
*
それから1週間が過ぎ、また休日の夕食後のひと時。
私はいつものごとく推理小説を読んでいた。
あまりにその内容が複雑だった。
私は紙に登場人物や事件の概略を記入していた。
しかし、途中でばかばかしくなった。私は勉強するために推理小説
を読んでいるのではない。
しかし、何か自分の理解力の乏しさを本に指摘されたようで、
不機嫌になっていた。
スッキリしないので、シャワーでも浴びようと思い、洗面所に足を
運んだ。
服を急いで脱ぎ、裸になった。ふと違和感を感じた。
自分のあそこの毛が妙に増えているような気がしたのだ。
まさか・・・。目をこらしてみると、陰毛がもそもそ動いている。
これはネットで言うところの糸へび・・・?。
『陰毛が、糸ヘビに乗っ取られてしまった!!』その事を確信した。
あわてて、下半身に手を当てた。
その手の上や隙間を「陰毛が・・・」 (いや、元い) 「糸へび」が
逃げるようにすばやく動いた。
何を思ったのか私の性器に糸へびはからみつき始めた。
ぐるぐる性器の周りを回転しながら、糸へびは性器を微妙な動き
で刺激してくる。
私は、その気持ちよさに、我を忘れ、声が出そうになった。
全身硬直状態で、起ちつくした。
やがて裸でつったったまま、糸へびという毛に翻弄されて射精を
してしまった。
なんてことだ。
なんで、存在感のない”陰毛と見分けのつかない”糸へびに、
いかされなければならないのだ。
無性になさけない。飛び散った精液も掃除の必要がある。こんな
わずらわしい事まで加わったのが、欲望の消失した今では腹ただ
しかった。
まあ、とりあえず、風呂場で早く体を洗い流そう。ついでに我が物
顔で占拠している『糸へびを熱いシャワーでこらしめてやれ!』と
思った。
精液の掃除をした後、浴室のドアを開けようとしたら、低いぼそ
ぼそ声が聞こえてきた。
娘の声だ。
低いからこそ、耳がその内容を完全にとらえていた。
「おかあさん・・・・。私のあそこの毛がへんなの・・・。」
私は、頭をかかえながら、つぶやいていた。
「ああ!娘よ。おまえもか。」
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