うるさい空

深い深い森に、とってもかわいい女の子とおばあさんが住んで
いました。
女の子は今年10歳、ちょっとませてます。エリといいます。

エリは朝、眠いのをがまんして、フトンから出て、空をながめ
ました。
青い空でもながめて、眠い気分を吹き飛ばそうと、思ったの
です。

でも、空にはバタバタうるさいプロペラを回した、ヘリコプター
が飛んでいます。

おませなエリは思いました。
『私がこんなに可愛いからって、何も空から覗くことないじゃな
いの。卑怯なヘリ男だわ。きちんと、地上に降りてきて、私に自分
の気持ちを素直に言ってくれればいいものを。』

なんて、思っているうちに、またどこからかヘリコプターがやって
きました。
またまたエリは溜息をつきます。

「本当に、可愛すぎるってゆうのは罪なことだわ。ロリコンな
男ばっかり増えてしまったのね。これから当分の間、私の
時代だわね。」

朝に空をながめて、すがすがしい気持ちになる計画はどこに
行ってしまったのでしょう?
今はただ、不審なヘリコプターにあきれるばかりです。

エリはまた、ヘリコプターが増えたのを確認しました。
とうとうヘリコプターは、3台になってしまいました。
3台のプロペラの回る音が、エリのさわやかな朝をかき
みだしています。

エリは頭にきていいことを思いつきました。
おもむろに、地面にしゃがみこみ、パンツを下して、
オシッコをしました。
エリのおしっこは、地面にものすごいスピードで、噴射
されていきます。

エリは自分のオシッコの威力を知ってます。
それは、ものすごく勢いがよく、臭いのです。
エリのオシッコは、その勢いが良すぎて、土ぼこりが
空まで舞っていきます。そして、空までその匂いも上昇
していきます。

ヘリコプターの操縦している男たちは大慌てです。
いきなり、ヘリは土ぼこりにまみれて、視界がきかなく
なってしまいました。
それに、なんだか脳髄を刺激するような、とても臭い
匂いが充満しています。

今や、ヘリから双眼鏡を使って、下のオシッコしている
かわいい女の子を覗いている場合ではなくなってしまい
ました。

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③ カチ!

奥歯をかみしめて、いつもより力をこめて

噛む!

カチ!と、音がすると脳波が無線で僕のパソコンに飛んで行く。

今、その瞬間に目で見ている風景がJPGファイルとなって、

パソコンに旅だつ。

僕の目玉はデジカメになった。奥歯はシャッターだ。

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腹黒い私からの脱出

「おはようございます」
と、したくもない挨拶をしていつものごとく会社に到着。

私は埼玉から東京のはずれの会社まで、毎日約2時間かけて
通勤している。
年は50歳のちょいとくたびれ気味のサラリーマン。
名前は石沢という。

自分の机に座って、パソコンと書類を机の上に準備。

机も眠いのか、「フワー」と、大きなあくびをしている。

「生意気な机だ!」と、げんこつを机にぶつけると手が
机の中にぐんにゃりのめり込んで抜けなくなる。
「あ、机にセクハラ!」朝から元気な女子社員が私をからかう。

そのからかっている女子社員のお尻をなでているのは、わが社
の社長。
「石沢君、机にセクハラしてもいいことないからね。」社長はほが
らかに言って、朝からその女子社員とイチャイチャじゃれている。

そんなのはほっといて、
まずは、パソコンを開いてメールのチェック。

=================================================
石黒様

いつもお世話になっております。
=================================================

という出だしで、取引先の会社のSさんからメールが届いている。
そのSさんからのメールはこれで3回目だ。
私は、苦笑する。

『何回間違えればすむのだろう・・・。石黒じゃなくて石沢なのに。』

私は、それを指摘する返事を出す。

「 S様。 お世話さまです。
   残念ながら、私は石黒ではなくて、石沢です 」

そうしたら、さすがにまずいと思ったのか、すぐに謝罪のメール
が飛んで来た。それも、同じ内容を重ねるかのように、2通の
謝罪のメールが。

『謝罪のメールなんて1通だけで充分なのに、なんか間が抜けて
いる人だなぁ。』
と、思いつつ最初の謝罪メールを読んでみた。

その出だしはこうだった。

=================================================
石黒さま。

お名前を間違えましてたいへん失礼いたしました。
=================================================

何のことはない。謝罪のメールでまた、最初に名前を間違えて
いる。
そして、2通目の謝罪メールでやっと、石沢と入力してある。

=================================================
石沢さま。

重ね重ね、お名前を間違えまして、たいへん失礼しました。
=================================================

私は、笑ってしまった。同僚にもそのメールを見せると、同じよ
うに笑ったのだが、気になることを言う。

「石沢は腹黒いから、石黒に名前を変えちゃえば?」

50歳にして、そんなに心の中は綺麗ではいられないのだが、
それにしても名前を変えなければならないほど、私の腹の中は
黒いのか?
心は汚れきっていると、他人には見えるのか?

汚れているかどうかは別としても、私は黒いものがやたらと好き
だ。ブラックコーヒーが好きで、黒ウーロン茶が好きで、好物は
イカ墨スパゲティだ。

これはいかんと思い、ふだん飲まない牛乳などを飲んで、腹の中
を中和した。
心も真っ黒からせめて灰色にうすめたような気分になれた。
でも、心の中はやはり青空がいい。

                 *

私は、最近入社した、絵を描くのが大好きという、サラリーマンF
を思いだした。Fをさっそく呼んだ。
そいつに、絵筆を用意してもらい、さらに小さくなってもらって、私
の腹の中に入ってもらった。
腹の中で青空を描いてもらうつもりだ。

腹の中に到着したFは、私の腹の中でやたらと要求する。
やれ、ソーダー水を飲めとか、ヨーグルトを食べろとか、レモン
ジュースを飲めとか、とてもうるさい。
そのジュースの色素で、腹の中にどんな絵を描いているのか?

Fのジュース攻撃のおかげで、腹の中はダブダブになってしまっ
た。腹が痛い。
どうも、ジュースを飲みすぎてしまったようだ。

恥ずかしながら、おしっこががまんできす、この年でおもらしして
しまった。
濡れたパンツがとても気色悪い。
「まいったなぁ・・・」と、思いつつ・・・
おもらしズボンをみんなに気づかれないようにそっと歩いて、トイレ
に入った。
パンツを脱いでみると、そこにはパンツにきれいな虹のしみがで
きていた。

「どうだ、まいったか!」
そのゲイジツ家Fは私の腹のなかでえばっている。

私は、それはちょっと違うと思った。
きれいにしてもらいたいのは、パンツのおしっこのしみではなくて、
私の腹の中なのに。

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やりにくい復讐

とんでもない宇宙人が攻めてきた。

その宇宙人は、まるでいたずらでもするように、人間の口に
カプセル型の毒薬を放りこむ。

その薬は体の内蔵を溶かす。

死ぬ間際に、その溶けた内蔵のガスがおもいっきり大きなガスと
なって、肛門から飛び出し、尻が破裂する。

哀れな犠牲者をちょうど100人だしたところで、その宇宙人は
引き上げていった。

家族をそんな殺され方をされたものは、気も狂わんばかりに復讐
を誓った。

宇宙人退治に情熱をかたむけその復習に命と情熱を燃やした。

ようやく、その宇宙人に対抗すべき殺人銃を持って、宇宙人の住む
星に、選ばれし者が出かけた。

勇んで、星に降り立ったものは、すぐに宇宙人へ復習のために
その殺人銃を使用した。

ところが、どういう技術なのか知らないが、その銃で殺されそうに
なった宇宙人が化ける。
年齢に関係なく、5歳くらいの可愛らしい幼児に変身する。

その子供の姿に殺人銃で仕返しを繰り返すことになる。
連続して『子供殺し』をしている、とてもいやな罪悪感を、復習者に
もたらした。

しかし、完全なる復讐を期待して待っている地球の仲間の為にも、
その戦いをやめるわけにはいかなかったのだ。

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視線に合わせて文字が消えていく

本を読むと、読んだそばから本の活字が消えていく。
そんな機能を持った本が販売されている。

読み返そうと思っても読み直しがきかない。
読み終えると、本は真っ白になっている。

真っ白になった本には、次に読みたい本の内容を印刷して
もらう事ができる。

             *

目そのものに、その機能(活字消去機能)を持たせることもできる。
買った人は登録されている。
それで、いたずらで本の活字を消すことはできない。

いたずらで活字消去機能をONにし、本屋で売っている本を読むと、
せっかくの印刷物が、消えてしまう。
まだらの印刷物となってしまう。

私もその目の機能を取り付けた。
何をどこまで読んだかが、一発でわかる。
なんせ、読んだ部分は消えているので。

読んだその瞬間だけ、自分と活字の対話ができる。
その後は自分の頭の中にだけ言葉が残る。

普段はその機能はOFFにしてある。

             *

活字消去機能はさらに進化した。

読み終えた後に、活字だけではなくその内容までも心から消すと
いう機能が発明された。

私は、その機能に大金をはたいた。
今までの自分の過去を入力しプリントアウトする。
それを読みつつ、自分の頭から過去と記憶を消していくのだ。

最後に自分の知識すら全て消し去りたい。
それは、生まれ変わりたいというより、一種の自殺なのかもし
れないが。

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もぞもぞ・くねくね・ぐるぐる

今日はひさびさの休日。
カーペットでごろごろしながら、推理小説を読んでいた。
何気に、カーペットを眺めると、髪の毛があちこちに落ちている。

頭についている髪の毛は気にならないのに、どうして体から離れた
毛は、こんなに気持ち悪さを感じるのか?
私にとって、どんな美女の髪の毛も、抜け毛となった瞬間にその
価値がなくなってしまう。

そういえば、先週、床屋に行った。
髪を切ってもらい、その床に散らばった髪の毛に注意が引き寄せ
られた。
それがもぞもぞ動いたように見えた。
思わず、叫び声をあげそうになった。全身、鳥肌が立ったものだ。

なんて事を思い出すのも、小説にそろそろあきてしまった証拠か?
私は、推理小説を読むのを中断した。

部屋の机に座り、パソコンの電源をいれた。ニュースサイトでも
のぞいてみることにした。
ふと、机に目をやると、長い髪の毛が一本見えた。
長さから考えると、私の髪の毛ではない。
娘の髪の毛か?それとも妻の髪の毛か?

その髪の毛が、机の上をひゅるひゅると滑るように動いて、下に
落ちた。まるでミミズのようなくねくねした動きだった。
その髪の毛を追って下を見たのだが、見当たらない。

髪の毛が生きているわけもないので、たまたま部屋のすきま風に
でも吹かれたのか?それとも知らないうちに、私の鼻息が荒く
なっていたか・・・。
しかし、あの動きは風に飛ばされたようには見えなかった。
と、するといったい何が起こったのか?

インターネットで、「髪の毛 動く」で検索したら、いくつもヒット
した。私が知らないだけで、ネットでは相当に有名な現象になって
いる。
その動く髪の毛の事は『糸ヘビ』と呼ばれていた。

もし、その「糸へび」が、私の頭に住み着いてしまったらどうしよう?
その数が少しづつ増えて、やがていっせいに動き出したら、まるで
かつらがずれ動くように、私はつるっぱげになっているのでは。

なんてゆう想像をしたら、逆にユーモラスに感じて、一人で笑って
しまった。

ところで、動く髪の毛が「糸へび」と呼ばれていることががわかっ
ただけでは、今のところどうしようもない。
ここは、あわてずにのんびりといこう。

私は、「糸ヘビ」の事はどうでもよくなり、ニュースサイトに興味が
移った。次々にニュースを読み始めた。
特に、「糸ヘビ」のことを思い出すことはなかった。

          *

それから1週間が過ぎ、また休日の夕食後のひと時。
私はいつものごとく推理小説を読んでいた。

あまりにその内容が複雑だった。
私は紙に登場人物や事件の概略を記入していた。
しかし、途中でばかばかしくなった。私は勉強するために推理小説
を読んでいるのではない。
しかし、何か自分の理解力の乏しさを本に指摘されたようで、
不機嫌になっていた。

スッキリしないので、シャワーでも浴びようと思い、洗面所に足を
運んだ。
服を急いで脱ぎ、裸になった。ふと違和感を感じた。
自分のあそこの毛が妙に増えているような気がしたのだ。

まさか・・・。目をこらしてみると、陰毛がもそもそ動いている。
これはネットで言うところの糸へび・・・?。
『陰毛が、糸ヘビに乗っ取られてしまった!!』その事を確信した。

あわてて、下半身に手を当てた。
その手の上や隙間を「陰毛が・・・」 (いや、元い) 「糸へび」が
逃げるようにすばやく動いた。

何を思ったのか私の性器に糸へびはからみつき始めた。
ぐるぐる性器の周りを回転しながら、糸へびは性器を微妙な動き
で刺激してくる。

私は、その気持ちよさに、我を忘れ、声が出そうになった。
全身硬直状態で、起ちつくした。
やがて裸でつったったまま、糸へびという毛に翻弄されて射精を
してしまった。

なんてことだ。
なんで、存在感のない”陰毛と見分けのつかない”糸へびに、
いかされなければならないのだ。
無性になさけない。飛び散った精液も掃除の必要がある。こんな
わずらわしい事まで加わったのが、欲望の消失した今では腹ただ
しかった。

まあ、とりあえず、風呂場で早く体を洗い流そう。ついでに我が物
顔で占拠している『糸へびを熱いシャワーでこらしめてやれ!』と
思った。
精液の掃除をした後、浴室のドアを開けようとしたら、低いぼそ
ぼそ声が聞こえてきた。

娘の声だ。
低いからこそ、耳がその内容を完全にとらえていた。

「おかあさん・・・・。私のあそこの毛がへんなの・・・。」

私は、頭をかかえながら、つぶやいていた。
「ああ!娘よ。おまえもか。」

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金曜の終電車は・・・

金曜日、池袋の居酒屋で酒を飲んだ。
とってもいい気持ちになって、気が付いた時はかなりやばい時間。
あわてて電車に飛び乗るとギューギュー詰めで、終電車。
朝のラッシュのような混雑。

オレの目の前の若い女性が、そのギューギュー詰めの中なのに
携帯でメールを打っている。内容が読めてしまった。
それはこう入力されていた。

「金曜の終電車は、臭くて・暑くて・狭くて・最悪!!!」

おれは、思わず「同感!」と、言いたくなりその女性に握手したい
気持ちになる。その思いをぐっとこらえる。

池袋から30分ほど過ぎたあたりでようやく混雑も薄れ楽になる。
そして見えてくるのはおれと同様に酒を飲んで、グタグタになって
しまった人々。

かつらが思いっきり、づれている人がいた。
教えてあげたいが、本人はシルバーシートでおおきな「いびき」を
かいて爆睡している。

口から何か出している人を見た。何かと思って注意してみたら
それは入れ歯だった。
「おいおい!大切な入れ歯が落っこちて、行方不明になっちゃうよ」
と、教えてあげたいが、こちらは手すりにつかまり立ったまま眠って
いる。

みんな眠いのだ。みんな疲れきっているのだ。
そして、金曜日の終電車はいつも見ごたえがある。

そうかと思ったら、電車が駅についたとたん、血相を変えて
いきなり急いでホームに走り出した人がいた。
何事か?と思っておれは注目した。
その人は一瞬、空をながめたようなポーズに見えた。
口から思いっきり、吐瀉物が吹き出した。それは地上3メートル
まで吹き上がり、きれいな放物線を描いて、地面に到着した。

まるで何かの芸を見ているようで思わず拍手をしそうになった。
『ゲロの見事な噴水芸』そんなしょうもないタイトルが浮かんだりも
した。

おれは手すりにつかまって、「あと15分のしんぼうだな。」
と思い眠気と闘っていた。
おれの前で座っているサラリーマンの男の口がいきなりパカッと
開いた。
まるで陸に上がった魚のように、それは苦しげに見えた。
口からちょっと苦しげに息をしている。

口の中は真っ暗だ。
この男はみたところ普通の30代のサラリーマンだ。
口の中が暗黒すぎる。歯がないのだろうか?舌まで見えない。
じっと見ていると、その男の口の中を見ていることを忘れ、自分
自身の暗黒を見ているような気持ちにもなった。

一瞬、その口の中から誰かにのぞかれているような気がした。
口の中に小さな目の光を見た気がした。
口の中に動物がいる?
それとも小指より小さい小人が隠れている?

おれは気持ち悪さを感じたが、その30男の口の中から目を
離せない。
そのうちに、その真っ黒な口の中から暗黒のカーテンが上がるか
のように白い歯が見えてきた。「お、歯があったんだ。」
おれは、次は”舌”も見えるのかな?と、注目した。
それより、そのサラリーマンの男の前歯には何か文字が書かれ
ている。
よくよく目をこらして見ると、『見るな!』と、書かれていた。

おれは赤面する。
確かに、人を観察しすぎる悪い癖が自分にはある。
おれは、そのポッカリ開いたサラリーマンの口から目をそらす。

「あと5分で自分の駅に着く」
今度はひたすら駅に到着することに神経を集中した。

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